青木:
『私の処女を破りにきて』というアダルトビデオ。噂で「キャラクターの名前を呼びながら喘ぐAVがある」と聞いて、それをまんがで描いたら監督さん本人が送ってきてくれたんです。監督さんのコメントが書いてあったんですけど、その監督さんはオタクでもなんでもない普通の人らしくて、「とても怖かった」って書いてありました。出てる女優さんは、といっても素人さんなんですけど、『幽遊白書』のすごいファンで、同人誌もちろん描いてて、三十歳くらいの処女。それで「処女であることが重荷なんで、プロの男優さんならうまいことやってくれるだろうからAV出る決心しました」という人なんですよ。ところが実際に本番シーンに入ると…
岡田:
なんか、途中でドキュメントみたいになってくるんですよね。
青木:
そう。もうAV撮れないんですよ。マジ気持ち悪くて男優さんが勃たなくなっちゃって。女優さんはええとなんだっけ、キャラクターの名前を…
岡田:
飛影。
青木:
そうそう飛影!「飛影…」とか言い出してるし。まあそれだけやったらなんとかガマンしようかなと思ったらしいんですけど、その女優さんの頭の中では「自分は鞍馬」らしくて、男として飛影と絡んでるストーリーができているんですよ。それで「俺の…俺の飛影…」みたいなね。
岡田:
それで男優さんもわけ分かんなくなって、部屋の隅っこで『幽遊白書』読み出して。あれは感動したなあ。
青木:
男優さんもそういう努力して「僕がなんとか合わせてみます」と言って、「ほらほら、幽助が見てるぞ」とか盛り上げようとしたんだけど、その娘の中の「俺的な幽遊」とはちがったみたいで、急に真顔になって「飛影はそんなこと言わないよ!」
岡田:
あのビデオって一日で撮影するつもりだったのが一泊二日の合宿になってしまって、夜、男優さんが『幽遊白書』読みながら「分かんねえよコレ」って悩んでた(笑)。で、カメラをパンすると女優の方は夏コミ用の原稿描いてる。しかも、キャラクターのキーホルダーを「ぎゅ」って握り締めて、「待っているのよ、いまから処女を失う自分は…」って。でも結局うまいこといけへんかって。でもビデオはなんとか出さなあかんから、もうムリヤリドキュメントみたいにして、途中で「『幽遊白書』とは…」とエロ劇画の作家に描かせた絵を出して、初めて見る人用の解説が入る。アダルトビデオで『幽遊白書』の解説聞かされるとは思わなかった。
青木:
構成はうまかったけど。「彼女はいまこのキャラクターになりきっており、男優はこのキャラクターのつもりでいるのだ!」って、キャラのイラストを上からほわ~んとかぶせたりしてね。
岡田:
クライマックスの方で一応ちゃんとやったら、女の子が急に「飛影、もう離れない」と言い出して、男優さんが面倒臭そうな口調で「俺はもう行かなければならない。もうすぐ冥界の門が閉じる…」と言いながら後ずさりしていくという。あの展開はすごいですよ。
青木:
あれは本当にドキュメントみたいなビデオで、監督さんに聞いたら最初女優さんがオタクだって知らなかったから、もうただひたすら怖かったんですって。イっちゃった目で「飛影、俺は、俺は…」とか言い出してるし…
岡田:
途中で、その女の子の頬をパンパン張り飛ばすシーンがありました。クスリかなんかでイってると男優さんが思ったらしくて、「オタクは社会性を持て!」みたいな洗脳張り手が乱れ飛ぶ。でもその女の子はなんで叩かれてるのか分からないって顔しながら、キーホルダーを「ぎゅ」って握り締めてて。
青木:
そのシーンですごいオタクっぽいなあと思ったのが、女の子が叩かれたときに「痛い」って言ったでしょう。ところがそれ、普通の人が叩かれたときのリアクションの「イタっ!」じゃなくて、セリフの「痛い」なの。オタクの人ってよく「ウルウル」とか言うでしょ。あれなんですよ。あれと同じ、セリフ口調の「痛い」だったの。それ聞いて、「ああ、擬音を口に出すようになったらあかんなあ」とため息ついてしまって。ダメですよねえ、口に出しちゃあ。
岡田:
無意識にやっている人、多いですからね。日常会話がアニメのアテレコ口調になってる人。皆さんも気を付けないと。
『私の処女を破りにきて』というアダルトビデオ。噂で「キャラクターの名前を呼びながら喘ぐAVがある」と聞いて、それをまんがで描いたら監督さん本人が送ってきてくれたんです。監督さんのコメントが書いてあったんですけど、その監督さんはオタクでもなんでもない普通の人らしくて、「とても怖かった」って書いてありました。出てる女優さんは、といっても素人さんなんですけど、『幽遊白書』のすごいファンで、同人誌もちろん描いてて、三十歳くらいの処女。それで「処女であることが重荷なんで、プロの男優さんならうまいことやってくれるだろうからAV出る決心しました」という人なんですよ。ところが実際に本番シーンに入ると…
岡田:
なんか、途中でドキュメントみたいになってくるんですよね。
青木:
そう。もうAV撮れないんですよ。マジ気持ち悪くて男優さんが勃たなくなっちゃって。女優さんはええとなんだっけ、キャラクターの名前を…
岡田:
飛影。
青木:
そうそう飛影!「飛影…」とか言い出してるし。まあそれだけやったらなんとかガマンしようかなと思ったらしいんですけど、その女優さんの頭の中では「自分は鞍馬」らしくて、男として飛影と絡んでるストーリーができているんですよ。それで「俺の…俺の飛影…」みたいなね。
岡田:
それで男優さんもわけ分かんなくなって、部屋の隅っこで『幽遊白書』読み出して。あれは感動したなあ。
青木:
男優さんもそういう努力して「僕がなんとか合わせてみます」と言って、「ほらほら、幽助が見てるぞ」とか盛り上げようとしたんだけど、その娘の中の「俺的な幽遊」とはちがったみたいで、急に真顔になって「飛影はそんなこと言わないよ!」
岡田:
あのビデオって一日で撮影するつもりだったのが一泊二日の合宿になってしまって、夜、男優さんが『幽遊白書』読みながら「分かんねえよコレ」って悩んでた(笑)。で、カメラをパンすると女優の方は夏コミ用の原稿描いてる。しかも、キャラクターのキーホルダーを「ぎゅ」って握り締めて、「待っているのよ、いまから処女を失う自分は…」って。でも結局うまいこといけへんかって。でもビデオはなんとか出さなあかんから、もうムリヤリドキュメントみたいにして、途中で「『幽遊白書』とは…」とエロ劇画の作家に描かせた絵を出して、初めて見る人用の解説が入る。アダルトビデオで『幽遊白書』の解説聞かされるとは思わなかった。
青木:
構成はうまかったけど。「彼女はいまこのキャラクターになりきっており、男優はこのキャラクターのつもりでいるのだ!」って、キャラのイラストを上からほわ~んとかぶせたりしてね。
岡田:
クライマックスの方で一応ちゃんとやったら、女の子が急に「飛影、もう離れない」と言い出して、男優さんが面倒臭そうな口調で「俺はもう行かなければならない。もうすぐ冥界の門が閉じる…」と言いながら後ずさりしていくという。あの展開はすごいですよ。
青木:
あれは本当にドキュメントみたいなビデオで、監督さんに聞いたら最初女優さんがオタクだって知らなかったから、もうただひたすら怖かったんですって。イっちゃった目で「飛影、俺は、俺は…」とか言い出してるし…
岡田:
途中で、その女の子の頬をパンパン張り飛ばすシーンがありました。クスリかなんかでイってると男優さんが思ったらしくて、「オタクは社会性を持て!」みたいな洗脳張り手が乱れ飛ぶ。でもその女の子はなんで叩かれてるのか分からないって顔しながら、キーホルダーを「ぎゅ」って握り締めてて。
青木:
そのシーンですごいオタクっぽいなあと思ったのが、女の子が叩かれたときに「痛い」って言ったでしょう。ところがそれ、普通の人が叩かれたときのリアクションの「イタっ!」じゃなくて、セリフの「痛い」なの。オタクの人ってよく「ウルウル」とか言うでしょ。あれなんですよ。あれと同じ、セリフ口調の「痛い」だったの。それ聞いて、「ああ、擬音を口に出すようになったらあかんなあ」とため息ついてしまって。ダメですよねえ、口に出しちゃあ。
岡田:
無意識にやっている人、多いですからね。日常会話がアニメのアテレコ口調になってる人。皆さんも気を付けないと。
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